この記事を読んで分かる事
積み立てNISAやiDeCoなどを最近はじめたという方も多いのではないでしょうか。
その時必ず言われるのが、
「分散投資するのが鉄則です、これはドルコスト平均法という考え方に基づいており、メリットがうんたらかんたら・・・」
という話ではないでしょうか。
しかしドルコスト平均法はメリットばかりがもてはやされてデメリットがあまり認識されていない様に思えます。
「デメリットについても紹介します!」
と言っているブログ等も、もちろんたくさんありますが、
ここでは一般的なメリット・デメリットに加えて、さらに一歩踏み込んで、
見落とされがちなドルコスト平均法に潜んだたった一つの観点をお伝えします。
頭を柔らかくして読んでください。
ドルコスト平均法とは
本題に突入する前にドルコスト平均法の一般的な考え方を説明します。
ドルコスト平均法をひとことで言えば
のことです。
そして多くの場合、ドルコスト平均法で購入対象とするのは投資信託でしょう。
※積み立てNISAやiDeCoで購入するのはと読み替えて頂いても問題ありません。
投資信託はインデックス型とアクティブ型に大きく分かれますが、
ここではインデックス型の投資信託を購入することを前提として述べていきたいと思います。
ドルコスト平均法の一般的なメリット
ドルコスト平均法を説明するにあたり、
とても分かりやすい図を見つけましたので引用させて頂きました。
WealthNavi より引用
上記の図を見て頂いてもわかるように、
ドルコスト平均法の最大のメリットは定額で定期的に購入し続けることで価格の変動リスクを抑えることができる点にあります。
安い時には多くを購入し、高い時は少なく購入して高値掴みを避けることができます。
ドルコスト平均法の一般的なデメリット
続いて一般的なデメリットについてですが、よく言われているのは「手数料負担が積み上がる」ということです。
一定金額で一定期間ごとに購入を行うという特性上、どうしても取引回数が多くなってしまいます。
すると当然取引手数料がかかるので、相場に関係なく損が確定する事になり、利益を圧迫します。
ドルコスト平均法を一撃で打ち崩す
なぜドルコスト平均法がもてはやされている?
そもそもなぜ、ドルコスト平均法がこんなにももてはやされているのだと思いますか?
それは金融機関にとって都合の良い考え方だからです。
積み立て投資は最初に顧客を納得させることさえできれば、一定間隔で商品を購入し続けてくれるので金融機関にとって都合がいいわけですね。
ドルコスト平均法は顧客側もメリットがあると説明でき、かつ金融機関にとってもメリットがあるため、
これだけ好意的に捉えられ、広まっていると考えられます。
バレンタインとかと同じで企業の戦略に見事にはまっているわけです。
しかし、上述の通り手数料を購入の都度払い続けるのは我々ユーザーからすればマイナスでしかありません。
なのでこの問題に対する対策としては、ノーロード型の投資信託を購入する事です。
ノーロード型とは購入時手数料がかからない金融商品のことです。
最近はネット証券であれば、基本的にインデックス型の投資信託はこのノーロード型なので
こちらを選ぶようにするだけでも将来的な利益が伸びる可能性が高まるでしょう。
ドルコスト平均法に潜む見落とされがちなたった一つの観点
では購入手数料のデメリットについても解消されつつある現在、
ドルコスト平均法で見落とされがちな観点とはなんなのか説明していきたいと思います。
まずは以下の図をご覧ください。
約40年間ほどのNYダウの平均株価遷移です。
出典:世界経済のネタ帳
途中株価が下落する局面はありますが、大局的に見れば右肩あがりで推移していることが分かりますよね。
こうしたダウ平均や日経平均の様な、株価指数に連動する投資信託をインデックス型の投資信託と呼びます。
冒頭でも記載しましたが、今回はこのインデックス型の投資信託を購入する場合を前提とします。
そもそもなぜインデックス投資を行うかというと、
手軽に分散投資ができることや、手数料が安いことがまず理由として挙げられます。
つまり、インデックス投資においてドルコスト平均法を用いて投資することは
投資対象の分散もできて、購入時期の分散もできるまさにリスクヘッジの塊の様に見えるわけですね。
しかしそれ以上にインデックス投資を行う理由があります。それは
歴史的に見てアメリカを筆頭に、世界全体として考えた時、株価が上昇し続けている
ということです。
最先端の技術がどんどん生み出され、途上国も目覚ましい勢いで成長している現状を踏まえれば納得ですよね。
※日本は、、、触れないでおきます。
ここでよく考えてみてください。
確かにドルコスト平均法を用いることでリスクヘッジは効いているように思えますが、
そもそも前提としてインデックスの価値が上昇し続けることを念頭において、インデックス投資を行っているわけですよ。
その場合、当然ですが浮き沈みはあるにせよ、
後になるにつれて購入価格が高くなる傾向にあることは分かりますよね。
つまり、
長期的に見た場合、初期のタイミングでまとめて購入した場合と比較して常に高値掴みになる可能性を秘めている
ということです。
これが見落とされがちなドルコスト平均法の観点です。
ドルコスト平均法はリスクを先送りし、後半にリスクの比重を置いているということですね。
気が付いた時にはもう金融機関は手数料で利益をあげ、
ユーザーとしても今更投資方法を変えなくてもいいかという気持ちになっています。
ドルコスト平均法の使い方
ドルコスト平均法は、購入価格を安定させるという観点からはとても有効です。
ただし、インデックス投資の様に長期的に見て価格の上昇が見込まれる、期待値がプラスの場合においては必ずしも最善手とは限りません。
そのため、有効なドルコスト平均法の使い方としては、
極端な高値掴みのリスクを抑える為に、
投資の初期段階とその後長すぎない期間の間でドルコスト平均法を用いて購入し、投資期間の後半では購入しない。
というのが一つの選択肢として考えることができます。
例えば投資資金として100万円用いるケースを想定すると、
5万円ずつ20年に渡って投資をするよりも、
20万円を最初の5年間で投資して残りの15年はそのまま放置しておくというイメージです。
こうすることで極端な高値掴みを回避しつつ、
インデックス投資におけるリターンを最大限狙うことができるようになります。
終わりに
ドルコスト平均法について理解は深まりましたでしょうか。
メリットばかりが広まる傾向にありますが、それは金融機関などの企業にとっても都合がいいからです。
どんな事でも、表面的な情報で満足せず自分なりに理解しようとする姿勢が大切です。
現実問題として手元にお金がなく、投資初期段階で資金を投入するのは難しいという場合も多いでしょう。
それでもよいのです、将来に向けて積み立て続けることは素晴らしいことです。
ただ、こういった考え方もできるんだということをあなたに知ってもらえれば幸いです。
ご覧頂いてありがとうございました!
注意書き
当記事の内容は、情報の提供を目的としており、一個人の考えを記載したものとなりますので、情報の確実性を保証したものではありません。
投資の最終決定は、みなさまご自身でご判断いただきますようお願いいたします。
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