【初心者向け】原油価格と株価の関係

原油と株価の関係を理解していますか

原油価格が下がると、日経平均やNYダウも下がる。

体感的に、あるいは、なんとなくそうだとご存知の方も多いのではないでしょうか。
しかしなぜ原油価格の下落が株価の下落に関連するのでしょうか。

知っているようで知らない
原油価格と株価の関係について一つ一つ紐解いていきたいと思います。

原油価格と日本の関係

日本は原油資源が乏しいことは有名ですよね。
自国に資源が無い以上、外から買ってくるしか道はありません。

ということは、当然原油価格が安くなれば
日本の多くの企業は仕入れ値が下がり、利益を上げやすくなりますよね。

つまり、日本国内で閉じて考えると以下の様に考えることができます。

原油価格が上がる:仕入れ値が増えるので業績は下がる

原油価格が下がる:仕入れ値が減るので業績も上がる
※もちろんコスモ石油等の様な原油元売り企業など全ての企業がこうなるわけではありません。

業績の良し悪しは株価に連動しまするので
一見すると

原油価格と日本企業の多くの株価は負の相関を持っている

ように思えますよね。

しかし、話はそう簡単ではありません。
次は世界にも目を向けて考えてみましょう。

原油価格と株価の関係

中東が世界に与える影響

原油と聞いてみなさんどこの国を思い浮かべますか?

サウジアラビアやクウェート等の中東を思い浮かべる方が多いのではないでしょうか。

まずは、中東からの影響を解説していきたいと思います。

石油王、ドバイの大富豪なんて言葉も聞くくらい
中東の資金力は実は凄まじいものです。

2019年にIPOをしたサウジアラビアの国営石油会社であるサウジアラムコは
世界トップの時価総額をほこり、一時期時価総額が2兆ドルを超えたほどです。

サウジアラムコに限らず、他の中東の石油企業も含めて
当たりまえですが、原油の価値が下がれば将来に備えて手元にお金を用意します。

お金を手元に集めるために、石油元売り会社が世界中の株式市場に出資していたお金を引き上げるわけです。
いわゆるオイルマネーってやつです。

すると莫大な資金が株式市場から無くなってしまうので
株価の下落に繋がります。

世界の原油産出国

中東の話から入りましたが、
実は世界で最も原油を生産している国は中東の国ではありません。

以下の図をご覧ください。


引用:今日の石油産業 2019より抜粋

実はアメリカが世界最大の原油生産国なんですね。
つまり、原油価格と株価の関係を考えるにあたって、アメリカを無視することはできないということです。

原油価格とアメリカの関係

世界最大の産出国であるアメリカは、原油価格が下がれば当然経済に影響を与えます。

NYダウはシェブロンやエクソンモービルといった原油関連企業の株価が大きく指数に影響を与えます。
つまりこの2銘柄の株価急落は、NYダウという株価指数自体も大きく押し下げます

NYダウは日本でいう日経平均株価です。

日経平均株価が何%も下落しました!
なんてニュースでやっていたら、景気が良くないんだなって感じますよね。

それと同じ事がアメリカでも起こる要因になります。

アメリカ経済と日本の関係

日本経済は他国との貿易に大きく依存している側面があります。
特にアメリカとは取引量が多いため、アメリカとの関係は切っても切り離せません。

また日系企業でもアメリカに現地法人があれば
現地法人の業績はアメリカの経済からの影響を受け、それが日本への業績にもつながる事になります。

つまり、以下の構図が起きる事になります。

原油価格の下落

アメリカ経済の失速

日本企業の貿易停滞・業績悪化

日本の株価も下落

原油価格と日本の関係

日本単体で見れば、原油価格の下落は直接的にはメリットが大きいです。
しかし、中東からの資金引き上げや、アメリカ経済の失速に伴って間接的に悪影響を及ぼします。

原油価格の変動が日本に与える影響は
直接的な影響と間接的な影響を組み合わせて考えなければいけません。

原油価格と株価の関係について、理解を深めて頂けたら幸いです。

ご覧頂いてありがとうございました!

注意書き

当記事の内容は、情報の提供を目的としており、一個人の考えを記載したものとなりますので、情報の確実性を保証したものではありません。
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